アーケロンArchelonあるいはアルケロン)は、中生代の後期白亜紀カンパニアン期(約7,500万年前)に生息していたカメ。爬虫綱・双弓亜綱・カメ目・プロトステガ科に属する。学名は「古代の亀」または「統治する亀」を意味する。また、中国名は帝亀である。

形態

全長約4メートル、甲長2.2メートル、頭骨長約80センチメートル、全幅5メートル弱。体重は2トンにも達したと推定される。現在知られている最大のカメである(現生のウミガメとの関連性は不明瞭)。その甲羅は肋骨が骨質の板ではなく革状の皮膚や角質の板で覆われているだけであるため、軽量化されていた。しかし、その甲に手足を引き込むことができなかったため捕食者に襲われやすく、脚鰭が一つ欠けている化石も珍しくない。恐らく襲撃者はティロサウルスなど大型のモササウルス類であろうと思われる。

食性

主に海藻や海綿、クラゲ、イカなどを食べていたとされるが、アンモナイトを主食にしていたという説もある。

分布

白亜紀の北アメリカ大陸に存在した西部内陸海路(サウスダコタ州・コロラド州の辺り)に生息した。しかし、他の地域からは発見されていない。これは、当時のウミガメが遠洋を回遊する習性または能力がなかったことを示している。

参考文献

  • 金子隆一『イラスト図解 謎と不思議の生物史』北村雄一、本田成正、山本聖士(イラスト)、同文書院、1996年。ISBN 4-8103-7340-1。 
  • 平山廉『恐竜の謎』小田隆(復元画)、ナツメ社〈図解雑学〉、2002年。ISBN 4-8163-3306-1。 
  • 平山廉『カメのきた道 甲羅に秘められた2億年の生命進化』小田隆(画)、日本放送出版協会〈NHKブックス〉、2007年。ISBN 978-4-14-091095-5。 
  • ティム・ヘインズ、ポール・チェンバーズ『よみがえる恐竜・古生物』椿正晴(訳)、群馬県立自然史博物館(監修)、ソフトバンククリエイティブ、2006年。ISBN 4797335475。 
  • ヘーゼル・リチャードソン、デイビッド・ノーマン(監修)『恐竜博物図鑑』出田興生(訳)、新樹社〈ネイチャー・ハンドブック〉、2005年。ISBN 4787585347。 

関連項目

  • デスマトケリス - 既知で最古のプロトステガ科のカメ。
  • オサガメ - 現生種では最大のカメ。甲羅の退化など共通する特徴を持つ。
  • スチュペンデミス - 新生代に生息した曲頸類。最大級の淡水生カメの一つ。
  • メガロケリス- 新生代に生息したリクガメ科。最大級の陸生カメの一つ。

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アーケロン(Archelon)・川崎悟司イラスト集

アーケロン

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